神の素顔、かくありき

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 この世界に時間の概念があるのかは知らないが、俺の感覚として穏やかに時が流れた。  ……そういえば、俺はいつ戻ることができるのだろうか? 「なんじゃ、もう戻りたくなったのか? あれだけ、あの世界を嫌っていたというのに……」  半ば呆れられた態度で、そう指摘される。  けれど、そういう訳ではなかった。  正直言って、こっちの世界の方が俺としては居心地がいい。神様に出会えて、意外な事実を知れて、楽しくて面白かった。 「そう言ってもらえると、呼んだ甲斐があったというものじゃ」  そう照れたように神様は笑う。  それでも、帰属本能というものだろうか。何となく、帰らなければならない――人としてここに長居しては行けない気がする。そういう義務感を感じた。 「……ふむ。まぁ、お前さんがそう思うのなら従おう。…………少々名残惜しいがの」  …………あぁ、俺もだよ。 「して、どうじゃ? まだその殺神衝動は残っておるのか?」  ……ちょっとうまいこと言ってて腹が立つ。  やめろ! ドヤ顔するな、鬱陶しい!  …………はぁ、別にもうそんな気はない。  神様って奴は、俺の思ってた存在とは違ったしな。 「ホントに良いのか? 人間ごときにどうあっても殺されはせんが、一発ど突くぐらいのことは出来るぞ?」     
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