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一方の神様はと言えば、楽しそうにニコニコと――いや、嗜虐的にニヤニヤとこちらを見つめていた。
「お前さん――伊國心翔は女性不信で、大の人間嫌い。そればかりか、理不尽なことばかりがまかり通り、挙句の果てに人間を生活させている世界さえも嫌い、じゃったな?」
家族にさえも隠し、挙句の果てには思考の中のみで完結させていた俺の本性がつらつらと語られる。
俺は観念して、ため息をついた。
そう、その通りだ。そして何より、その世界と人を生み出した神を俺は殺したいほどに憎んでいる。
もしそんな存在がいるのなら、という話だがな。
「むふふ。して? 実際にこうして居るわけじゃが……どうじゃ?」
どうもこうも、こうして呼び出しをくらう時点で俺の人生は終わりなのかなぁ、としか。
まぁ、今までの言葉を撤回する気は一切ないがな。
「うむ、やはり変わった人間じゃ。そんなお前さんだから、わしはここに呼んだんじゃがな」
…………? よく分からん。
神様の言葉に、頭を捻る。
「簡単な話じゃ。わしはお前さんらが考えてるような存在ではない。その事を教えてやろうというだけじゃよ。ちょうど暇じゃったしな」
そう神様は言うと、ニシシと歯を見せて笑う。
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