神の素顔、かくありき

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「して? なにか聞きたいことはないかの?」  早速とばかりに神様はそう尋ねてくる。  そんなこと急に言われても困る……と一般人なら思うだろうが、普段から色々なことを妄想していた俺は違う。小説書きとして妄想を重要なファクターだしな。 「ほう、それは楽しみじゃ」  僅かだが、俺を見つめる瞳からは期待の色が見て取れた。  その期待に応えられる内容かは分からないが、最初に聞くべきことは俺の中で決まっている。  やはり、人間と世界を作ったのは貴方なのか、そして作ったのならその理由について聞いてみたい。 「まぁ、お前さんならそうくるじゃろうな」  予想していたとばかりに頷く神様。 「端的に言うと、答えはイエスじゃ。理由も簡単で、今回の催しと同じく暇だったからじゃな」  事も無げにそう言う。  言われた俺としても、まぁそんなものかと納得する答えだった。  それでも、あんな世界を作ってくれたことに対する不満は消えちゃいないけどな。     
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