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雨やしきが近づいてくると、どんどん雲が黒くなってきて、いまにも雨つぶが空から落ちてきそうになった。
「ほらみろ、やっぱり降るぞ」
「う、うん」
空を睨みつけるボクの後ろで、ミオの歩くスピードが急に遅くなってきた。
「おいてくぞ、はやくこいよ!」
「やっぱり、やめよ、なんか怖いよ」
「バ、バカ!遠足行きたいだろ!」
でも、大きな声を出したボクの足だって、地面を蹴っているのにふわふわと頼りなく震えてる。
長い長い石塀がどこまでも続いて、雨やしきは、ひとつの森を飲み込んだぐらい広かった。
ようやく入り口にたどり着くと、ボクの背の5倍もありそうな大きな黒い鉄の門がそびえ立っていた。
で、でかい・・・魔界の門かよ。
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