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とりあえずボクらは固まった。いったいどうやって入るんだ?
インターフォン・・・あるわけないか・・・
格子とかじゃなくて厚い鉄板みたいな扉が二枚、がっちりと閉じていて、中はまるで見えない。
「帰ろうよー、入れないじゃん」
「ここまで来て何だよ、せーので押すぞ!」
「えー・・・・・・」
「ミオはそっちの扉な、せーーのっ!」
僕は、出せる力全部を両手に込めて扉を押した。ミオも真っ赤な顔をして頑張っている。でも、扉はビクともしなかった。ボクらは、ハアハアしながら痛くなった手のひらをぶんぶん振って門を見上げた。
その時だ、突然ぎぃーっと音を立てて門がゆっくりと開きはじめた。
「あー、開いた」
涙目になっていたミオが、そう言って、ぽかんと口を開けた。
「ばか、見てる場合か、行くぞ!」
「う、うん」
ボクの心臓は、そう言ったそばからバクバクし始めた。ミオはボクのシャツの端をぎゅっとつかんでいる。
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