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絹糸の雨は、花びらを壊さないように、優しくさらさらと落ちて来る。
すると、花畑のまんなかあたりが、さわっと動いたかと思うと、だれかが立ち上がった。ビクッとしたミオが、ボクの手をぎゅっとにぎった。
おばあさんだ・・・髪の毛がうすい紫色をしていて、すらりとやせている。とてもやさしそうな目をしていた。
(このおばあさんが、雨女?)
ボクは、あんまり、想像してたイメージとちがっていて、びっくりした。だって魔女みたいな感じかと思っていたんだ。
「なにかご用?」
にっこりと、顔ぜんぶが笑った。うすむらさきの朝顔が、ぽんっと開いたみたいだ。
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