第八神話 わずか2秒の世界

1/1
前へ
/16ページ
次へ

第八神話 わずか2秒の世界

「今日も最高気温40℃を超える厳しい夏の1日になりそうです」  朝のニュースキャスターが、いかにも暑そうな表情を作り報道する。  現在夏休み真っ只中であるが、今日は小学校の登校日となっており、マユリは元気いっぱいに飛び出していった。  俺はもう一眠りしたいと思っていたが、あと15分もすれば、父さんが光の中から現れ、俺を迎えに来るだろう。今日で神様研修10日目を迎える。あ、そうそう。今日は確か、水をワインに変える練習と、バチカンの大聖堂に2秒だけ降臨する実技試験だったと思う。神様の仕事は決して楽じゃない。  そうこうしている間に、光の中から父さんが現れる。今日もパンツ一丁だ。俺は前から聞こうと思ってた質問を投げかけた。 「父さん。俺たちって宗教なんなの?」 「いや仏教て前に言うたやん。」 ~完~
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加