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「…させてくれ」
「え?」
低すぎて、よく聞こえない。
もっとちゃんと、聞こえるように言ってくれないと分からない、と身を屈めて弾の傍に寄ると、俯いたままの弾が、静かに…話し出した。
「言うタイミングが見つからなくて…ずっと、黙ってた。──お前が好きだ、ってこと」
「えっ」
「高校でヒロと出会って、そっからずっと、好きだった。 だから、このチャンスが巡ってきたことが嬉しくて舞い上がってたけど…我慢、できそうにないから、…今、言っとく」
そう前置きをした弾の瞳が、弘也を…見る。
(!)
いつもの『親友としての目』ではない『男の目』が、祐也の心臓を鷲掴む。
「好きだ。 ずっと、好きだった」
「…ぇ、ええええええっ!」
だから、と呟くように言った弾の瞳が、迫ってくる。
驚くことしかできず、固まっている肩を弾に押され、押し倒される、と思ったまではよかったが、体重をかけるようにしてのし掛かってきた弾にキスで唇を塞がれ、抗議の声を上げることができない。
しかも相手は運動部で豪腕を唸らせている、ザ・体育系の弾である、マウントされれば絶対に敵わないことは誰に指摘されなくても分かっている。
それなのに、抗議しようと開きかけた口の中を弾の舌に蹂躙され、口内を好き勝手する舌先で無茶苦茶に乱され絡みつかれると、ついさっき味わった快楽のしっぽが脳裏をちらつき、頭の隅がジンと痺れてくる。
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