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「めっちゃ小さい魂だなって思ってよくよく見ると、自決しようとしていたからさ。その前に精気分けてくれないかなと思って屋上に降りんだけどさ」
魂の大きさはそのときの人の精神状態が影響していて、特に生きる意志が欠如するとその分魂も小さくなるらしい。
「人間さん、すごく濃厚な魂持っているな!近くにいるだけでも甘いにおいがプンプンする」
とろけそうな笑顔で鼻を近づけられ、どぎまぎする。
「屋上で私の血を飲んだでしょ。私の血でしばらく人間さんの魂と私自身を結びつけたんだ」
「はっ!?」
「だって、もう私のものなんだからいいよね?」
「そうかもしれないんですけど!」
「だから、しばらく私のそばにいて魂を大きくしてね?それで大きくなったときにおいしくいただくの。においだけでも私は楽しめるし!」
(なんて自分勝手なんだ…)
ツッコミどころが多すぎてその気力もなくなってしまい、彼女の尻尾に倒れ込んだ。
「強引に私と魂をつなげたから、魂に負担かかったかもね。ゆっくりお休み、人間さん」
「それだけじゃないと思いますが…あと僕、人間さんじゃないので」
「あ、そうか。…じゃあ、私が名前つける」
「え?」
「だって、人間のおまえは死んだんだし、これから魂はそのままだけど新しい生活が始まるんだし!何にしようかなー」
彼女は腕を組み考え始めた。
(そうか。人間の僕は死んだんだ)
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