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「ロボット? ああ、今はロボットの犬や猫もいるものね、それがいいかも。 世話をする必要もないし」
「残して逝くこともないし、いいじゃない、それ」
「違う、違う。 ロボットの犬や猫じゃなくて、ヒト型のロボット。 ほら、今はやりのAI。 そしたら私と話をしてくれるわけだから淋しくないし、もちろん世話もいらないし、残して逝く心配もないじゃない」
古くなった部品を交換して、デリート、アップデートして新たにロボットを必要とするところへ行く。例えマユが死んでしまっても、ロボットの行く末を心配する必要はない。
コミュニティには入れないかもしれないが、そもそもそれ自体が面倒だと思っている。
マユは想像してみる。AIとの生活を。
悪くない。
独りの自由で勝手気ままな生活も、恐ろしいくらいの孤独も無縁のことのように思える。
独りである以上、孤独死は覚悟していたが、何日も何週間も発見されずに腐乱死体になるなんて、マユには耐えがたい。せめて綺麗なままで発見されたい。
「それ、いいね」
そう盛り上がったのが、つい最近のことのようだ。
マユは念願叶い、ロボットを購入した。あの頃からより一層進化したAIとの生活は快適だった。
話し相手にも困らない。
自由な時間はたっぷりとある。
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