1243人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に今時、同性同士で付き合うなんて珍しくもないだろうに、なんでそっち方向にいかないのか俺には分かんないよ。」
「……ねえ、影虎先輩、義人先輩、付き合う好きって何?」
「は?そこから!?」
んー、と義人先輩は少し悩んだ様子を見せた後、影虎先輩の乱雑に巻かれたネクタイをぐっと引き寄せた。
義人先輩は引っ張られた勢いで彼の方に寄ってきた影虎先輩の唇に思いっきりキスをした。
しかも深い方だ。
影虎先輩は手で押して義人先輩を引き離そうとしたけど、上手くいかないらしく結局、一発ぶん殴ったところで義人先輩は離れた。
その様子を俺はぽかーんと間抜けに見ていた。
「こうやって、キスしたくて、もっとエロい事もしたくて自分だけのものにしておきたいってことかな。」
影虎先輩がふざけんなよと怒っている。
「俺はね、失敗しちゃったから。だから、同じ失敗を陸にはしてほしくないって思うんだよ。友達だからね。」
「失敗?」
「そう、俺はね影虎が離れていくのが怖くて、足の腱を切って一週間ほど監禁しちゃったからね。」
「おい、くそが!!それ今言う必要ないだろうが!!」
影虎先輩が、もう一度、義人先輩の事を殴った。
「影虎は、許してくれて、俺の事受け入れてくれたけど、まあ普通は無理だからね。」
へらっといつもの様子で義人先輩は笑っているが目は真剣そのものだ。
最初のコメントを投稿しよう!