本編

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このまま疎遠になってしまうのだろうか、不安と焦燥と自己嫌悪に苛まれ碌に寝る事もできなかった。 それでも熱がある訳でも無くズルズルと寝不足の体を引きずる様にして学校へ向かった。そこにも陸の姿は無かった。 ぼんやりとしながら授業を受けていた所為だろうか、体育の授業でボールを頭にぶつけて転倒してしまった。 保健室で簡単な応急処置をされた後、自宅に居る母にに連絡を入れるという教師の申し出を断ってだらだらと帰途についた。 とてもじゃないけど、授業に集中できる状況では無かったので逆にありがたかった。 学校から出る直前、一応母親に連絡をすると少し心配した後「間抜けねえ。」と笑われた。 家に湿布が無いとの事だったので少し遠回りして薬局によってから帰る事にした。 ―――これも現実逃避だ。 全てが怖くて逃げ出したい気持ちをごまかすために、家にも帰らずぶらぶらしている。 自分の全てが陸中心で回っている。 もうこんな状態やめるべきだと分かっているのにやめられない。 ガシャン、何かが当たって崩れ落ちる様な音が路地裏からした。 猫、にしては大きすぎる音に何となく興味を引かれ路地裏に入って行った。     
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