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翌日、学校から帰ろうと支度をしていると、廊下から声をかけられた。
不良グループのトップの横に常にいるその先輩の事を知らない者はこの高校にはいないと思う。
「君、佐波 琥太郎(さわ こたろう)君だよね。ちょっといいかな?」
一応疑問形で聞かれはしたが、決定事項のようだ。
俺はというと、不良グループに逆らえる訳もなく、先輩の後を重い足取りで付いて行く。
お約束と言うか何というか、不良グループのたまり場となっている屋上に連れてこられた。
「リーダー、連れてきたよー。」
副長の先輩に呼ばれ、赤髪の先輩がこちらを見る。
不良グループのトップの確か今井 影虎さんだ。
睨むように見られて、体が硬直する。
ぶっちゃけ怖いなんてもんじゃない。
なんだ?何の用なんだ?これからサンドバックにするとか言われるんだろうか?
最悪を想像して手先が小刻みに震える。
「…本当にコレなのか?」
俺を指さしながら今井先輩が言う。
「そーらしーよ。まあ、俺も平凡でしかも男だなんてびっくりしたけどね。」
副長の先輩も何やら言っている。
平凡……。俺の事のようだけど、何の話なんだ?
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