本編

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◆ 琥太郎が屋上から出て行ったあと、義人先輩は影虎先輩以外の人間を屋上から帰した。 帰したというより追い払ったという表現の方が近い。 3人だけになった屋上のフェンスに寄りかかるように義人先輩は座った。 向かい合うようにして影虎先輩も座る。 義人先輩は自分の隣の床を手で叩いて俺に座るように促した。 断る理由もないので素直に横に座った。 でも、勝手に琥太郎を呼び出した事に対する怒りが収まった訳じゃない。 殴り倒してしまいたいという衝動がじわじわと湧き上がってくる。 「琥太郎となんで付き合ってないの?」 殴ろうという行動に移す直前、義人先輩に言われ固まる。 何故ってそれは 「男同士で恋人とかって無しでしょう?」 恋人っていうのは男と女がなるものだ。 「陸はそういうのに偏見ある方?」 「偏見っていうか、そもそも男同士の方がイレギュラーだし、結婚ができるわけでなし不毛っすよ。」 俺が義人先輩に言い返した瞬間、せきを切ったように義人先輩が笑いだした。 「く、くく、あはははは。」 何か俺はおかしな事を言ったか? 俺が義人先輩を睨みつけると本当に面白そうに義人先輩は笑った。 「そもそも、陸が結婚なんて無理に決まってるよ。     
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