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それだけ性格破綻していて、キレやすく飽き性な陸が結婚って。」
また、こみあげてきたのかクスクスと笑い続ける義人先輩。
だが、笑い声をぴたりと止め、俺に言う。
「ねえ、それだとコタ君に陸以外の恋人やパートナーができてもいいって事になっちゃうけど、本当にそれでいいの?」
楽しそうに、それでいて観察するように義人先輩は言った。
「おい、やめとけよ。」
影虎先輩が義人先輩をたしなめる。
「なんでー?」
「なんでって、お前な……。琥太郎だったか、あれの事を考えるとそこの狂犬に自覚させるのはまずいだろ?」
「だからこそ、でしょお?
コタ君が、他へ行ってからその大切な人を陸がぐちゃぐちゃにするより、ずっとマシだと俺は思うけどね。」
「そんな事になるって決まった訳じゃないだろうが。」
「分かるよ。」
「お前と陸が同類だからか。ッチ、くそが。」
そんなことを二人は話していたけど、正直内容なんてまともに頭に入ってはこなかった。
琥太郎に俺じゃない別の誰かが隣にいる?
そんなこと許せる訳がない。
絶対に駄目だ。
琥太郎は俺のだから、俺以外の人のところに行くのだけは嫌だ。
「いやだ。」
本音が口から洩れた。
義人先輩は満足したように笑った。
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