狂犬様と俺

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狂犬様と俺

穂積君が教室で暴れてるんだって。 お昼休み、弁当を友人と食べているとクラスメイトがそんなことを言っていた。 穂積というのは陸の苗字だ。 もしかしてと、まさかが頭の中でグルグルと交互に出てきて、どくどくと心臓の音が止まらない。 その時、息を切らせて慌てた様子で誰かが教室に飛び込んできた。 小学校の時、同級生だった人だった。 「おい、佐波!!」 怒鳴るように言われ、思わずビクリと体を震わせた。 「穂積が、殴りまくってて手が付けられないんだよ。 お前確かあいつと仲良かったよな!」 今日は屋上に行っても不良たちはおらず、他に頼れそうな心当たりもない。 悲痛な面持ちで言われた。 確かに、中学の時、俺が告白をする位までは学校でもよくつるんでいた。 よくそんな事を覚えていたと驚いた。 心の中のまさかが、また強くなった。 俺は勢いよく椅子から立ち上がると 「行こう。」 と声をかけた。 陸の教室は校舎のはじっこにあって、中に入った時には、机は散乱していて椅子はぐちゃぐちゃとあちらこちらに転がっていた。 教室内はすでに人はまばらだった。 ほとんどの人が廊下から教室を不安げに見ていた。     
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