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【命】
全てを投げ出してまで、守るべき者がいるのであれば、それは正義。そう、正義と正義は常に対立している。考え方の相違、捉え方の相違、ずっとずっと平行をたどり続けている。雷鳴は空の悲鳴であり、勢いよく流れ出す雨は懺悔。どこまでも祈りを捧げても、叶うべき意義がない。
【生】
薬漬けになった私などに、本来居るべき所なんてない。さ迷いさ迷い続けては、命乞いをして、他人を頼り生き続けている。歩むべき道をなくして、地を這う事しか出来ない私を、指をさして笑う輩は絶対に許さない。
【死】
望まれて生まれし命は、世界の全てを悟っているかのように、リズミカルだ。ドクンどくんと大地を叩くように、ただ一点を見つめ続けては息をしている。神経は鋭いナイフのように、綺麗にキレている。巡り会った古い友人のように、ピアスはキラリと輝いている。帰るべき場所へ帰るように。
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