ある日

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鏡をみたら頭がふわふわしてた ふわふわといってもバカになったわけじゃない まーふわふわの正体は ネコミミだったんだけどね。 「おい恋する乙女!」 「は、はぃい?!」 クラスから笑い声が児玉して広がった 「寝るな」 「はい……」 笑い声に交じるヒソヒソ話の中、私は顔を真っ赤にして座った 「恋する乙女は辛いねー五ヶ月はかかるよそれ」 「うるさい!恋なんて……してないっ……わけもない」 いつの間にか放課後だった。教室には私と友人しか居ない 「ほんとーにふわふわもふもふなんだね。ちょっと羨ましいかも」 友人はネコミミを撫でる。撫でられた所でこの耳には感覚が無いので、何も感じない 「恋なんてするんじゃ無かった……」 「まーまー青春の一大イベだと思ってさ」 耳から生えてるのは花びらだ。何故かネコミミとセットで大体は花びらが生えてくる。綺麗っちゃ綺麗だが触られるとかなりくすぐったい…… 「花びらに水あげよっか?」 「いや、お水はいらない。てゆーか触るのやめて……くすぐったい」 友人は花びらを一枚くるりとなぞり、手を後に隠した 「ま、相手がどうだとかは聞かないから。からかう奴は怒ったりするけどね。じゃ」 「おつかれーー」 誰も居なくなった教室で耳を押さえ、顔を机に埋めた。机の微かな傷が私に突き刺さる様な気分 「……三角関係。特異体質」 さっき大抵はと、言ったが特殊例ももちろん存在する。例えば 「ねこみたいなしっぽに髪の毛に混じる……花びら 。ずるい…隠すなんて」 さっき私は気付いてしまった。スカートから僅かにはみ出すしっぽと髪の毛に混じる色とりどりの花びらを 「好きになっちゃったんだね。私を……たぶんだけどね」 窓からはこちらを振り返って、走る友人が見えた 新緑が囁く様に風に揺れ、雲が流れていく。 そうして私は夏の始まりを勝手に悟っちゃったり したりしてね ?
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