プロローグ

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教室へと帰るとき不意に宮村さんが「ごめん。胡桃君迷惑をかけちゃって・・・いつも迷惑をかけているのにまた迷惑をかけちゃって。」と謝ってきた。 だが俺は迷惑をかけてきているのはクラスの連中だと考えているから別に謝られても困るんだがとりあえず「いいよ」と言っておいた。 俺は教室に着くとすぐにクラスの連中に質問をして回った。 「文化祭は誰が楽しむモノ?」 この質問には二つの意味がある。 一つ目は、手伝えという事を暗示するということ。  二つ目は、「みんな」と答えさせみんなに自分が入っていないといわせないようにして強制的に手伝わせるということ。 まあ結局手伝わせたいという事でしかないのだが・・・。 俺は、「一人はみんなのためにみんなは一人のために」という言葉が大嫌いだ。 この言葉はみんなの楽しみのためなら一人の犠牲を肯定することになる。 また、みんなが一人のために動くなんてまずありえない。 だから、この言葉は嫌いだ。 ちなみに俺のクラスの文化祭クラスシャツにはでかでかとこう書かれている。  One For All, All For One  一人はみんなのために みんなは一人のために 何が悲しくてこんなシャツを着ないといけないんだろう。 しかも、このシャツはクラス全員に買う義務がある。 俺は買ってすぐに妹にあげた。 当日はサボるつもりだし、いらないんだよなこれ。 しかし、担任がうるさいから買わないといけないし。極め付きにはこのデザイン・・・ 俺の一番嫌いな言葉が日英のオンパレードだぜ。
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