プロローグ

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プロローグ

暑い。俺が通うこの神奈川県立追ヶ浜高等学校はギリギリ横須賀市に位置する神奈川県内で最も海に近いことで有名な高校だ。 進学実績もしっかりあり進学校だとされている。 だが進学校だとしてもやはり逆らえないものがある。 進学校だからかもしれないが。 そいつの名前は中間テスト。俺のようなテストの3日前からテスト勉強をし始めるやつのこ とを正確にヘッドショットで下してゆくまさに進学校の悪魔いいや鬼のようだ。 まあ俺は物理以外は90点台で学年3位だったからいいのだが。ん?物理?そんなものはな かった。 俺は8点なんかとっていない。あれはなかったことにしよう。  そんな俺は今どこに向かっているのかというと、物理室で補習のわけでもなくよくわから ない優秀な美少女のいる部活でもなく生徒会室である。 なんか俺は委員会を決めるときに寝ていたらしく文化祭学年代表にされてしまった。 どうやらうちのクラスは女装喫茶兼男装喫茶を企画として出すらしい。 まったくこういうものはクラスの陽キャどもにやらせておけばいいのに。クソー! 仕方がないから俺は生徒会室のドアをノックした。 コンコン「失礼します1年1組の胡桃海斗です。7月に行われる文化祭の予算と企画案を持ってきました。それでは失礼いたします。」 俺は逃げるかのように生徒会室から立ち去った。 翌日俺はいつも通りみんなが通らない2棟渡り廊下を一人で歩いていた。 渡り廊下は人気じゃないのかって? うちの学校の2棟の渡り廊下は天井に大量の画びょうが刺さっており不気味、不吉だのといった事から俺のような細かいことは気にしない子以外は通らなくなった。 さて俺は仕事ではあるが生徒会の人たちに女装喫茶と男装喫茶の企画書を提出してしまったわけだ。 もうこれに関してはどうにも弁解できない。 どのように弁解しても最終的に俺が女装喫茶兼男装喫茶のアイデアを提出したという事実は変わらない。   ようするに、俺はただの変態の学年代表に仕立て上げられたというわけである。 まあそれは仕方のないことだと割り切るにしてもなにか悲しいものがある。 このままだと俺がアブノーマルな奴だと誤解されかねない。 俺は急いで生徒会室の隣にある生徒会長室に向かった。 生徒会長は快く1組の男装女装喫茶をつぶしにかかってくれる模様。 さすがは生徒会長心が広いそしてどすぐろい。
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