届かぬ想いは今も胸に

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ピンクでいっぱいの部屋。そこにはびっしりと少女漫画で埋め尽くされた本棚が4つ置かれている。 それらは私の心を保つもの。 それらは私の心を満たすもの。 少女漫画のヒロインは羨ましい。どれだけ辛い思いを重ねても最後には結ばれるんだから。 再婚相手のイケメンの子どもだとか、学校の先生だとかそういう相手だって最後は必ず笑顔だ。 でも、現実はそう甘いものじゃない。 再婚相手の子どもがそう都合よくイケメンではないだろうし、はたまたその人と恋に落ちる可能性なんてもっと低いに違いない。 学校の先生だって生徒を好きになんてならない。 好きになってほしいのに。 長年女子校育ちだと、男の人と関わることなんてほとんどない。 それこそ、学校の先生ぐらいだろう。 20代の若い男の先生は顔があまりイケメンとは言えない人であってもすごくモテる。 でも、きっとほとんどの人がファン的思考でキャーキャー騒いでるとか、周りのノリに合わせてカッコいいなんて、黄色い声を上げてるだけだ。 でも、中には私のように本気で、先生に恋心を抱いてしまう人もいるのだ。 学校でも五本指に入るぐらいしかいないだろう。 私の恋は始まった時にはもう、叶わないことが決まっていたのだ。
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