第1話 真顔の連続殺人犯

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中は警視庁の取調室と違い、ひとり分の空間多く作られているのか部屋が広い。 そしてその中心に、見慣れたテーブルとパイプ椅子があり、その一つに佐々木は座っていた。 右横の壁には大きな鏡に見せたマジックミラー。 その先には薄暗い部屋があり、今回そこには、立花と鑑定師の朝霧が入り、俺と佐々木のやり取りを聞いている。 「やあ、2日ぶり」 そう話しかけると、少し俯いていた佐々木がゆっくりと頭を上げた。 手錠が付けられたままではあるが、その手錠からは長い鎖が地面の固定部分へと、余裕を持って伸ばされている。 「……野神警部?」 佐々木は俺と目が合うと、ポツリと呟いた。 「あれ、自己紹介なんてしたかな?」 「前話したとき、女の人が呼んでた」 「あぁ……」 立花と俺のやり取りを聞いて覚えていたのなら何故、立花は女呼びなんだ。 「ねえ、野神って苗字だよね、名前は?」 「それを知って何になる」 「野神さんは僕を知っている、でも僕は野神さんを知らないなんて不公平だよね」 成る程、常識がないわりに、公平を語る脳味噌はあるのか。 「……衛だ」 「ま、もる……まもる、衛」 佐々木は俺の名前を知ると、その名前を繰り返し口に出し始めた。
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