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雨の日は好きだ。毎日が雨でもいいと思っている。
いや、訂正。たまに会えるから胸が高まるのかもしれない。
ただ毎日会えると緊張してしまうからか。
結局は、毎日願っている。雨が降っていると君に会えるのだから。
耳元でポロローンポロローンと不思議な音が鳴り響く。
目覚まし用にセットしておいたスマートフォンの音だ。
いつも思うのだがスマートフォンのアラーム音というのは、なぜこうもへんてこな音なのだろうか。
覚醒しきっていない頭がどうでもいい思考に使われていた。
しかしその頭は窓の外の光景をみた瞬間に覚醒した。
「雨だ」
思わず、独り言葉を漏らしてしまう。
僕は毎日、この雨を楽しみにしているのだ。
東京は今週から梅雨入りとのことで、気分は最高だった。
気分は最高なのだが雨に見とれている場合ではない。
朝というのは少し油断していると時間がすごいスピードで進んで行く。
いつも通り、制服に着替え軽く朝食をとる。
このあと朝練といえども朝はなかなか食欲がわかなくて、多くは食べられない。
しかも今日は雨だ。
喉を通るはずがない。
雨の日にだけ会える彼女に期待を膨らませ、僕は家を出た。
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