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通学中、無理に敢行したショートカット。
落ちた神社の石段。
ひょんなことから『時空の襞』に触れてしまい、飛ばされた先がこの世界だった。
夢見がちな十代の女子。
憧れていた異世界での生活は、甘くはなかった。
右も左も、言葉すらも分からない土地でアスナは毛嫌いしていたはずの高校の授業以上に勉強を強いられる。
全ては、────生きるため。
生きるため、そして現代に戻るため、アスナは自分自身を割り切った。かなりスレスレな橋を渡ったのも一度や二度ではない。
そんな異世界の生活の中、アスナは二人と一匹(?)に出会ったのだ。
『アンタが頓着してる善悪の概念? つまんないし救えない────生きたい、その一言でいーのよ。』
口を開けば喧嘩ばかりだが、感謝している。
少なくとも今はこうして『何か』に向かって走る事の出来る自分がいる。彼らは居場所をくれた。
今はそれだけでいい。
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