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『この誇り高き竜属のラギさんを、ラギさんをぉ……トカゲ呼ばわりしたーーーっっ!
……んぅぅぅぅ、もー今度という今度は、小娘許さぁぁああぁんっっ!!』
ぶわっ
叫ぶラギから竜気の強風。二人を引き上げたロープをしまおうとしていたボッコの銀髪が大気ごと大きく揺れた。
バヂバヂバヂバヂッッ!
ラギの翡翠の長髪に激しく紫電が走る。圧倒的な竜圧がその場に立ち上った。それを目の当たりにする限り、もはや戯れの領域を超えている。
その金と銀の瞳に竜気が宿った。
地下遺跡の青壁がその圧する気配に震え、物陰のネズミが一目散に逃げ出した。
────『ラギ』は今でこそ、こんな小さなナリをしてはいるが、かつては名だたる国々と対峙した八魔竜の一翼である。
『銀牙金爪の翡翠龍 フェル=ラギス』
今は名を『ラギ』とし、彼女の目的の為クェンたちと旅を共にしているーーー。
『────って、呑気に説明してる場合かよ』
げしょっ
『あぱうっっ?』
クェンの手刀を脳天に受け、その竜気がぷしゅーと霧散する。
『こんな所でケンカすーんーな。また崩落するだろーが。地上でやれ、あと俺の見てねーとこで』
『相変わらず優しいこと言ってるよーで、自分のことしか考えてない発言だにょ。くぇん』
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