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呆れ顔のボッコはロープを収めたリュックサックを背負い、やれやれと嘆息を漏らした。その先でバツの悪そうな顔をしたアスナが唇を尖らせている。
『あ、…あたしだってケンカしたくてしてるワケじゃないんだからね。ラギのヤツが毎回毎回あたしに絡んでくるのが悪いんだからっ!』
ぽん。
『……ま、言わんとすることは解るが、アスナもアスナだ。わざわざコイツの気に障るようなこと言うんじゃねーよ?』
アスナの肩に触れるとクェンは気絶したラギを旅袋にしまい込み、地下遺跡の奥の闇を見据えて嗤う。
『────やっと「遺産」の遺跡にこぎ着けたんだ。ま、仲良くいこーぜ』
『クェン……』
ごげっ!
ちょっと良さげなセリフで締めようとしたクェンの顔面にアスナの拳がめり込む。
『アンタがもっと早いとこラギっちを止めときゃ問題なかったのよ。だーれーがー原因でモメたのか、分かってるかー?第三者ヅラすんな、何とかの魔剣士~』
ごげっごげっ!
『はい、すいませんでしたっ!はい、すいませんでした!ごべっ(血飛沫)』
そんな三人のやり取りを見ながら、早く遺跡の奥に行こうにょ、と思いつつもボッコは笑うのだった。
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