第1章

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 プラチナブロンドの髪が、土の上に広がり、汚れていたけど、それでも美しいと思えた。  どうして、どうやって、なぜ、疑問は尽きない。だけど、それより先に、体は歓喜で支配されていた。  愛おしい顔の頬に触れる。触れた手に、小さな手が重なった。 「やっと会えた」 「うん、やっと来てくれた」 「……オレは……川谷蓮」 「私は、九条レミリア」  初めて、自己紹介を出来た。愛すべき名前を聞くことが出来た。  ここがどこか、なぜこれたか、そんなことはどうでもいいんだ。彼女がいるから。 「レミリア」 「……蓮」  きれいな音の響きの名前だ。そう思いながらオレは彼女に……レミリアにゆっくり顔を近づけてキスをする。  短いキスから離れると……彼女の碧玉の瞳が濡れていた。でも、悲しい泣き顔じゃない。嬉しくてつい零れてしまう波だった。 「……これで、側にいられる」 「うん……ずっと側にいてね」  レミリアが飛びかかるようにオレに抱きついてくる。  首に細い腕が回されたので、オレは彼女を抱き起こし、向かい合って、抱き合って座った。水面越しでは知ることができなったレミリアの温もり、レミリアの甘い匂いを感じていた。  ふと、視界に神棚が見えた。どこかで見た覚えのある神棚だ。……神さまが引き合わせてくれたのかも、なんてオカルトな考えが頭に浮かぶ。  それならそれでもいい。なんでもいい。  だって、愛おしいレミリアにやっと出会えたから。  
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加