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「大丈夫、これ持ってて」
昔から競争は嫌いだった、多くの人が出世を目指す中、圭も恵子の為にその出世競争に参加せざるを得なかった。ひしめくライバル達の中、係長に昇進した日の朝、恵子から渡されたのはボロボロの御守りだった。
「これ、実家の近くにある神社の御守り、昔からこれ持ってたら、絶対試験とかに合格したんだよ、だから、係長に昇進も、大丈夫だよ!」
お守りのおかげで昇進できたのかは分からない、ただ、その背中を支えてくれた事が嬉しかった。
恵子の笑顔が目の前にあるような気がして、消えなかった――――
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