0人が本棚に入れています
本棚に追加
近所の家の庭に大きな木があった。
そこで同じ年頃の友達と一緒に木登りをして遊んでいた。
毎年夏になるとその木で蝉が鳴いていた。
蝉がどこにいるのか友達と探していた。
「あっいた!アブラゼミだ」
「ツクツクホウシいないかな」
その木があった家の子とも友達だった。
私より二歳年下だったが、小学生の頃はそんな年の差などどうでも良かった。
夏休みは木のそばでいつも遊んでいた。
青い空、流れる白い雲、風にそよぐ大きな木の葉を叩く音、そして熱く響く蝉の声…
よくある夏の景色だった。
私が中学校に通うようになると木のある家の子とは遊ばなくなった。
また同じ学校になれば一緒に遊べるだろうという程度に思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!