第5話 イケメン俳優の素顔

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きっと翔だって本当は怖いのだ。こんな風にふざけているのは直人と、そして自分を励ます為なのだろうと思った。 「ここで話してること、聴かれているのかなあ?」 直人は監視カメラがないか、部屋を見渡した。 「どうだろうねえ。ここは普通じゃないからねえ」 直人は少し迷って、他の仲間に送り出されたことを話すのをやめた。 「川口はここにはいないの?」 「ああ、いないみたいだよ。彼は敵側の役だから、プライベートで接触がないようにしてるのかなあ。岩谷さんもいないし、宿舎はここだけじゃないみたいだね」 「そうなんだ」 直人は黙り込んだ。また不安そうな表情になった直人を見て、翔は話題を変えた。 「ねえ、足、大丈夫だった?」 「え、何が?」 「ほら、ナイフで縄切ったでしょ。当たらなかった?」 直人は自分の足を触ってみた。ジャージをめくり上げてみたが、縛られていた後がうっすらと残っているだけで、特に傷はないようだ。 「うん、なんともないみたい。あれ凄かったね、どうやったの?」 「どうって・・・ただ投げただけ」 「ええ?何か仕掛けとか・・・」 「ないよ、そんなもん。流磨になりきってると出来ちゃうんだよねえ、ああいうことが」 「え、じゃあ、もし失敗してたら・・・」 「刺さってたかもしれないねえ」
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