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そのスーツ姿の藤崎に、流磨は尋ねた。
『歯科は扱ってるか?』
『うーん、昔は歯科ユニットとか造ってたけど、今使わないからね。歯科からは撤退したよ。工場は買い手が付かなくてそのままになってるけど・・・』
流磨は立ち止まり、藤崎の腕を掴んだ。
『協力してくれないか?』
真剣な目をした流磨と、不思議そうな顔をした藤崎の顔が映った直後、爆音が鳴り響いた。怪人が現れた。1体だけだ。
『下がってろ』
流磨は藤崎を安心させるように余裕の笑みを投げると、変身した。驚いた藤崎のアップが映る。流磨はあっという間に怪人をやっつけた。変身解除した流磨は怪訝そうな顔をしてつぶやいた。
『1体だけか・・・妙だな』
藤崎が賞賛の笑みを浮かべ、流磨に駆け寄った。
『すげーな、田辺。怪人やっつけてる謎の人物って、おまえだったのか』
『ああ。親父も戦っていたけれど、負傷して、今は俺だけだ。あ、もう1人いるけど、大して役に立たない。もっと協力者が必要なんだ』
『俺でよければ、いくらでも協力するよ』
流磨はフッと笑った。向き合う2人の全身像が映り、場面が病室に切り替わった。
『ハックション』
くしゃみをしたミキの顔がアップになった。
『あれ?ミキちゃん風邪引いた?』
『違いますよ。きっと誰かがミキの噂して・・・ハックション!』
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