第6話 ギスギスした女子会

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鈴村円香:それはいくらなんでもやりすぎじゃない? 今度は前半しか拾われなかったことを訝りながら、円香は画面を見つめていた。 関川省吾:俺も藤崎はあんまり虐めないでやって欲しいけど、多少は危ない目に遭わないと話が展開しないかもしれないな 「危ない目に遭っても、自力で脱出して欲しいわ」 鈴村円香:危ない目に遭っても、自力で脱出して欲しいわ 沢田晃:あー、それは違うな 青木奈々:全然違うな 伊藤萌:駄目ですねえ 「何なの、この人達・・・」 そんなやりとりをしている間に、青木や伊藤の発言が次々と「採用」されていった。円香は彼氏に危機が迫っていることをひしひしと感じ、擁護策を考え付いた。 「研のマスク、流磨並みにバージョンアップして、早く戦闘に復活させて!」 鈴村円香:研のマスク、流磨並みにバージョンアップして、早く戦闘に復帰させて! すぐに「採用」の文字が出て、円香はほっとした。掲示板では細かいやりとりが続いたが、円香は直人の話題が一段落したのを見届けて、「登場人物」をクリックした。そこに直人の写真と説明を見つけると、円香は喜んだ。 「キャー、芸能人みたいー」 円香はそのページをスクリーンショットで保存しようとしたが出来なかった。ならばアナログでと画面にデジカメを向けると画像が消えて、再びサイトを開くことは出来なかった。 「ふーん、なかなか手ごわいわねえ」 円香は携帯を手に念の為レコーダーのある部屋から移動して先ほど掲示板で確認した「青木奈々」を検索してみた。すると「蒼綺麗奈」というペンネームの漫画家の本名が「青木奈々」だということがわかった。
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