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ぽっちゃりロリータの伊藤萌がストローを回しながら抗議すると、細い手足を組んで黙っている青木をチラリと見て円香は言った。
「あら。あなた達は知らされてなかったんですか?直人を送り込むっていうのは松永くん達のアイデアですよ?私はその時はまだモニターじゃなかったし、止めることが出来なかったんです」
本当はこの2人が除外されていたことは直人から聞いていたが、円香はあえて嫌味を込めて話していた。
「へえ、他所の男にやられるくらいならって自分でやったんだ」
青木は手を崩して頬杖をつき、円香に顔を近づけながら言った。
「変な言い方しないで下さい!」
「松永の奴、コソコソしやがって」
「女の子が苦手なんですよ、きっと。可愛そうな男子達ですねえ」
「ああ、2次元の女を妄想でしか抱けない哀れな男共だな」
ケラケラと笑う2人に眉を顰めて円香は呟いた。
「自分達だって処女なんじゃないの?」
すると青木がすかさず言い放った。
「私、子供いるよ。5歳男子。じゃなきゃこの年で特撮なんて見ないだろ、普通」
「もう、麗奈先生ったら、見たら息子さんより嵌っちゃったくせに!」
2人はまたケラケラと笑った。円香はこの2人に何を言っても無駄なのではないかと途方にくれ始めた。
「そんなに彼氏が心配か?」
「あなた方が心配にさせてるんじゃないですか」
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