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「やーねえ。私等だって素人の男の子にそんなに凄い要求しませんよ。仮にうっかり頭に浮かんで文字になっちゃったとしても、あんまり酷いのは採用されないから大丈夫ですよ」
円香は、青木や伊藤がうっかり想像しそうな酷いことを想像しそうになって頭を振った。
「あなた、タナベをネタに如何わしい漫画描いてるでしょう?直人をネタにするのは止めてね」
円香が青木を睨み付けると、青木は負けずに睨み返した。
「いい加減にしなよ、あんたが今私達と会ってるのは誰のお陰だ?」
「それは私があなたを見つけてメールを・・・」
「違うだろ、あんたは私達の餌に食いついたんだよ」
媚びるような笑みを浮かべた伊藤の肩を抱いた青木にそう言われて、円香はハッとした。
「え・・・あの漫画ってタナベを見てる人に気付かせる為に・・・」
すると伊藤が答えた。
「私がお願いしたんです。先生の本名知ってたからすぐに私もモニターなんですけどって連絡して先生にお会いしたら素敵な二次創作見せて下さって。そっくりでカッコイイでしょう?特に流磨!だから是非他のファンの方にも見せてあげて下さいって頼んだの」
「二次創作?」
「パロディだよ。だけど考えてみたらタナベなんて見てるのモニター数人だけだし、オリジナルとして発表しても問題ないだろって」
「何それ、結局私利私欲の為ってこと?」
円香が再び眉を顰めると、青木は尋ねた。
「じゃあ聞くけど、あんたはどうやって彼氏を呼び戻すつもり?」
「それは・・・」
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