第7話 敵か味方か?謎の少女

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そして場面が変わった。研の病室だ。研、ミキ、流磨と藤崎がいる。 『流磨さんにも、お友達がいたんですねっ!』 ミキが藤崎に近付いた。 『はじめまして、川島ミキです』 『はじめまして。藤崎直人です』 円香が画面に映る藤崎の嬉しそうな笑顔を睨みつけていると、ミキは研の元に駆け戻った。 『先生、流磨さんのお友達なのに好青年ですう』 藤崎は照れたように笑い、流磨は険しい顔でミキを睨みつけた。 『で、流磨、藤崎くんに協力して貰うって、どういうことだ?』 研は流磨から藤崎へゆっくり視線を移した。 『ウチ、医療機器製造しているんですよ。数年前まで歯科も扱っていて、その工場が残っているんです』 『ああ、藤崎って、君、藤崎医療機器の・・・』 『はい、息子です』 『へーえ。藤崎医療機器の御曹司か・・・』 実際、藤崎直人の実家は歯科医療機器の製造を営んでいる。円香は考えた。 (直人の実家って金持ちかしら。あんまりお坊ちゃまってイメージじゃないけど、まあ確かにおっとりしてて品はあるわよね。結婚したら玉の輿かな。あー、でも次男だからなあ・・・) 『えっ、藤崎さんっていいとこのお坊ちゃまなんですか?』 ミキは胸の前で手を合わせ、目を輝かせた。同じことを考えていたくせに、円香は画面のミキを睨み付け、画面の中では流磨がミキを睨み付けていた。ミキはその視線に気づいて口を閉じると、研の後ろに隠れた。
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