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『じゃあ、マスクの製造を頼むってことか』
『ああ。それにユニットカーも壊れちまったし、そのマスクも改造しないとな』
流磨は研が手にしたままのマスクを顎で指し示した。
『え、これを?』
『あいつが返してきたマスクなんて安心して使えないだろ。どうせ今戦えないんだし、今のうちに改良した方がいい』
『その間おまえ一人で戦う気か?』
『そんな体で戦われちゃ迷惑だ。さっさと治すんだな』
田辺親子のやりとりを複雑な表情で眺めていた藤崎が割って入った。
『俺、出来る限り・・・いや限界超えるくらい、協力します。だからお父様は安心して治療に専念して下さい』
研は晴れやかな笑みを浮かべて藤崎を眺めた。
『それは頼もしいな。じゃあ、そうさせて貰うよ』
ミキは口を尖らせて研と流磨に訴えた。
『先生も流磨さんも、ミキのこと忘れてませんか?ミキだって戦えますよ?』
『おまえは親父についてろ』
『俺は大丈夫だよ』
『相変わらず甘いな。あいつ等が怪我している相手を攻めないなんて倫理感持ち合わせていると思うか?むしろ狙ってくるに決まってるだろう。俺が戦っている隙を突いて襲ってきたらどうする。こいつでもいないよりマシだ』
『マシって・・・流磨さん酷いー』
『と、兎に角早く動いた方がいいんじゃないかな、その壊れた・・・ユニットカーだっけ?修理しないと』
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