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『田辺、これは?』
流磨は舌打ちした。
『怪人だ』
『まだ結構距離あるな。どうする?』
『行くしかないだろ。飛ばすぞ』
流磨はブラインドルーフをオンにした。車は姿を消し、爆風が駆け抜け、カメラが車内に戻るともう怪人が見えてきた。
『俺はこの辺で降りる。藤崎、お前は先に帰れ』
『いや、でも・・・』
『危険だ。いいな』
流磨は一人車を降りると変身して駆けて行った。藤崎は流磨を見送って呟いた。
『帰れって言われてもねえ・・・』
車内から戦闘現場に場面が移った。
怪人は3体で、流磨は苦戦している。流磨に向かって怪人の触手が伸びる。避けられないと流磨が身構えた瞬間、触手がレーザーに弾かれた。流磨が振り返ると、ユニットカーが怪人を攻撃していた。
『藤崎!』
『協力するって言っただろ』
流磨は何か言い返そうとしたが、抱え込んだ怪人が暴れ始めたのでドリルの操作に専念した。
藤崎は巧みに車を操り、残りの2体を攻撃し続けた。レーザー砲は怪人に致命傷は与えられないようだが、動きを鈍らせるには十分なようだった。
それでもレーザーを掻い潜った1体がユニットカーに突進して来たが、間一髪、最初に捕獲した怪人の処理を終えた流磨が掴みかかった。
残りの2体は流磨と藤崎が連係してやっつけたが、息をつく間もなく藤崎が叫んだ。
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