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「げえ!? これ私じゃないか!」
映像がアップから少し引き、全体が映し出される。
私が寝ているおんぼろアパート部屋も、布団も、着ているパジャマも。全部私のだ。
いままで経験なかったけど、自分を第三者視点で見る夢なんてあるのか。
「夢ではない。眠りについているお前の意識だけを切り離して、語り掛けているのだ」
自称神のおっさんの声がしつこく聞こえる。
ていうか、意識を切り離したって、こんな状態で寝てて疲れ取れるのかよ。
明日は久々の休みだから爆睡する予定だってのに、響いたら嫌だぞ。神迷惑過ぎるだろ。
「安心するがいい。疲れはとれる」
「……はあ、ならいいけど。で、神が私に何の用なんだ?」
「信じる気になったか」
「なんか、終わりそうにないし。とりあえず夢は夢として受け入れる」
「それでいい。では、話を続けよう」
しかし神って。
神が夢に出てくるって、私の精神はどんだけ追い詰められてんだ。
我ながら不安になる。
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