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「もう呼び方決定しちゃった感じ?」
苦笑いして僕も手を動かす。せっかく大倉から話しかけてくれたし、何か言わなきゃと口を開いた。
「なんで、手伝いしてるの? 手伝いなんてタイプじゃなさそうなのに」
「へ? そう? ああ、イメージは悪いよね~」
自覚があるのか、ひゃひゃひゃと笑う。
「別に悪くはないけど、僕みたいにどんくさい感じじゃないのになって思って」
「たまたまだよ。三年の女子に呼び出されてここ通ったら、堀田先生がひとりで作業してたから手伝いますよって言っただけ」
「自分から!?」
僕は目をパチクリさせて大倉を見た。なに? 案外すごくいい人? 普通、自分から申し出る?
「流石にひとりじゃしんどいでしょ」
「っていうか、大倉君が申し出なかったら、僕一人に任せる気だったのか……」
信じられない。これ一人でって、本当内申の一つや二つ上げてもらわないと割り合わないよ。
「きみちゃんはいい子なんだね」
「ううん。逃げきれなかっただけだよ。他のやつら、僕以外にも三人声かけられてたんだけど、即座に用事があるって言って逃れてた」
「先生に用事あるか? って聞かれて?」
「そう。僕は安直に何もないって言っちゃったんだよね」
「ふふ。でもそれで俺ひとりで作業しなくて済んだんだし。俺的には助かったね」
良かった良かったって感じに微笑む大倉君。いやいや、根本的に先生が頼もうとしてたのは僕なわけだし。
「大倉君は志願したんだから、助かったのは僕の方だよ。それにしても、もうちょっと人員呼べなかったのかな」
大倉君は穏やかにのんびり話していたけど、手の動きは超早かった。気が付くと、一番上の分厚い資料は全部ダンボールに入ってる。
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