経済テロリスト

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 「知らない。あなたではなく、弁護士が指示してくれるのだろ。おまえは、銀行員として、通帳とリボルビング払いが可能な、アメリカンエキスプレス(カード)付きのキャッシュカードを準備して、私に送れるようにしておけ」  「私のことを聞いてください。それは弁護士が署名しなければならないことです。私はその証明書が1万アメリカドルだとを知っている。これは起こることです。私たちは利益を共有しているからです。私は5000ドルを支払うでしょう。そして、あなたはもう5000ドルを支払うでしょう」  弁護士への依頼料は折半するということだ。自称弁護士もそうだが、わざわざ、アメリカのドルと書いてくる。記述から、アメリカ人ではないことがうかがえる。  「手数料の支払い方法なんか書いてきていない。おまえも、出かけるときは、アメリカンエキスプレスカードを忘れるな。昔、テレビの宣伝で、プロゴルファーのジャック・ニクラスが『出かけるときは忘れずに』と言っていた」  「弁護士に書いても大丈夫なのですか」  「おまえが教えてくれるのか。なら、支払口座でも教えてもらおうか」  「彼からの支払いの詳細は大丈夫です。あなたはそれを私に送ります。私は支払の一部をするつもりです。あなたもお支払いをする。私は5000ドルを支払う。あなたが、もう5000ドルを支払う。弁護士に支払いの詳細を尋ねる。あなたが、弁護士手数料の支払い明細を送付すれば、それを私に送る」  「面倒だ。おまえが連絡させるように、弁護士に連絡しておけ。私は用があって出先にいる」  「あなたはいつ支払いをしていますか。今日それをやっている」  「今は無理だな。そんなお金はない。借金だらけだ。今度の給料日だ」  借金はない。しかも、翌日から三連休だ。金融機関は休みだと理由をつけられる。
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