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「それはいつ起こるのだろうか」
「いずれ払うさ」
「弁護士をそんなに待たせては」
「では、この話はなかったことにしろ」
揺さぶりをかけてみる。
「あなたは、預金のことを心配しないでください。あなたの借金を返済できるでしょう」
存在しない預貯金からどうやって借財を返済できるのだろうか。
「支払口座を教えなければ、この話はなかったことにしろ」
「私は、お金を手に入れたことを喜んでいる。弁護士から証明書を入手すると、お金が承認され、希望どおりにあなたに送付されます」
「支払口座を教えなければ、交渉は打ち切る」
「あなたが話している支払口座はどれですか。私は弁護士からそれを手に入れます。私は弁護士に連絡し、支払いの詳細を得る」
どうせ、フリーメールには、手続きを開始しましたとでも書いてきたのだろう。対テロ組織用のメールは、自宅のパソコンのみに送信されるようにしてある。
「おまえの国と、私の住む国の金融制度や法律が違う。おまえは本当に、海外に本店のある銀行の銀行員か。自分の話が理解できない人には、サービスも金融商品も提供しないのか。そういう銀行なのだな。イギリスの本社に苦情を訴えてやる」
「私に聞いてください。これは私とあなたの間の秘密です。私たちは、このお金を銀行から受け取ります。銀行が、あなたを親族として追加したことを知ったら、私たちは750万ドルを失う。私たちは、ちょうどお金を得る最終段階にいます。それは、弁護士が要求した証明書です。それが銀行に提示される。あなたが希望する支払いオプションに従って承認されます。私は弁護士からの支払いの詳細を取得します。大丈夫、リラックスしてください」
支払方法を私に選択させてくれるらしい。だが、ここで打ち切るわけにはいいかない。妨害活動中だ。
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