国際ロマンス詐欺

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国際ロマンス詐欺

 今まで接点のない職業の人から、フェイスブックで友達の申請があった。2018年1月のことである。2月、3月、4月と毎月、特定の職業をうたう外国人から、友達の申請を受けることになる。  ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)。英文の頭文字をとって「SNS」と呼ばれている会員制のオンラインサービスだ。知り合いはもちろん、時に自国、他国を問わずに知らない人とも円滑なコミュニケーションをはかれる。  プロフィールに戦闘服を着用した女性の姿が写っていた。アメリカ陸軍の物で、年齢は30歳代と思われる。申請を承諾すると、すぐに、アプリケーションの「メッセンジャー」に書き込みがあった。  「Hi」  英語圏による身近なあいさつを書いてきた。このときは退勤時で、電車に乗って帰路についていた。始着駅を出た電車がポイントに差しかかかる。揺れたため、スマートフォンを誤操作した。「いいね」のボタンを押してしまう。のちに思えば、これが功を奏する形になった。  「英語が理解できないの」  速攻で返信がきた。誤操作により、相手方をしらけさせたようだ。  英語は話せませんと返す。だが、お構いなしに相手方は続ける。  「あなたのフリーメールアドレスを教えて」  断ると、以降のやり取りはなくなった。  戦闘服は、沙漠地帯に適した擬装用の迷彩柄だ。翌月、その正体が判明する。
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