ナイジェリアからの手紙

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 電話番号をプロフィールに掲載している人がいる。国際電話をかけるときに必要な番号がある。数字の最初に「233」とついているのがガーナ。「234」はナイジェリアである。これでどこの国の人かを判別することもある。よくよく考えてみれば、電話番号をさらしているのは、インターネット経由で転送されるからだった。企業ではないのだから、本拠地の連絡先を正直に記載するわけがない。  10月8日は勤務日だった。勤務の合間、いつものラーメン店こと会議室でワーキングランチ。脳内会議を開催する。自称軍に自称アメリカ陸軍兵士。ともどもすぐにいなくなる。共通項としては、友達の申請者が多いことだ。  木目調のカウンター席の目前に器が置かれた。今日は趣向を変えて油そばにした。台湾まぜそばと言う名称がついている。  肉みそと麺を絡めてすすった。みそはサンショウが効いている。ウナギのお供だけではないことがうなずける味だ。  卓上に陳列している調味料に手を出すまでもないか。詐欺師たちは変化を遂げている。テロリストを陽動しようと、わなを仕掛けた。範囲を拡大した。そのせいか、自称銀行員のような経済テロリストが引っかかる。狙い目は、自称アメリカ軍の軍人軍属。この時期に及んで、多様な職業をかたってくる。意図が分からない。当日の脳内会議はなにも結論が出なかった。  10月9日、アメリカ人の会社員と友達リンクした。大手自動車会社の「フォード」の職員だという。プロフィールの顔写真は、フランス製の旅客機「エアバス」のビジネスクラス席に座る若い白人の男性だった。詐欺師が頻繁に使う写真の一枚と判明した。
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