経済テロリスト

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 「説明が下手なくせに、よく銀行員などをやれるな。おかしな金融取引をしていると、銀行についてFBIに通報するぞ」  さらなる揺さぶりをかけるため、捜査機関の名称を伝える。日本の警察庁に該当する捜査機関を外国人はFBIと呼称する。思いのほか効果的だ。  「リラックスしてください。友人、私は弁護士から証明書を取得できると言った。われわれは、750万の送金が大丈夫になるように待っている。今、必要な証明書は問題ありません。大丈夫です。弁護士が意味することは、預金の所有権証明書が、FBIによるすべてのチェックの後に、750万ナイラの権利所有者であることを明らかにしたことです。だからこそ、銀行の弁護士があなたのために立ち、FBIにそれが正当な取引であることを知らせる。あなたは理解していますか。その証書があれば、お金があなたに移されます。FBIが移転に署名したので、あなたがお金を得た方法について、銀行からの嫌がらせに直面することはありません」  ものすごく動揺していた。銀行の本社、バークレイズよりも効果的である。取引にアメリカ連邦捜査局が関与しているという。分かりやすいうそだ。通貨単位まで間違えた。ナイジェリアの通貨単位の「ナイラ」と言っている。  「おまえが書いてくる内容が理解できない。法律も理解できないくせをして、しゃしゃり出てくるな。モルダー捜査官に相談するぞ」  「親愛なる友人、リラックスしてください。弁護士に仕事をしてもらう。これまでのところ、要求どおりにお金を稼ぐことは大丈夫です。お金はカードに入れて送られます。それは良いものです」  モルダー捜査官が誰なのか理解していない。「Xファイル」というアメリカのテレビドラマを知らないな。  アメリカの連邦捜査局に、この世の科学力では解明できない、謎に満ちた事件の記録を納めた捜査資料がある。人は「Xファイル」と呼ぶ。超常現象張りの事件捜査に積極的に関与する捜査員がいる。主人公でフォックス・モルダーという名前だ。  1993年から放送されている。本放送時、放送開始前になると、アメリカの町から人かげが消えた。家に帰って、テレビの前に集まったといわれるぐらいの人気のドラマだった。
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