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タイプじゃない
「お前の好みってどういうタイプ？」
「丸顔で、眼鏡かけてなくて、手足が華奢で、刺身が嫌いで、人見知りで、バーでは一人で黙々と飲んでるようなタイプ」
「お前それ、わざとか」
「何が」
「ことごとく俺と逆じゃねーか」
「……でも、実際に好きになるのはいつも、好みと真逆のタイプなんだよ」
「お前はどうなんだよ」
「どう、って」
「好みのタイプ」
「……素直じゃなくて意地っ張りで、口が悪くて」
「なんだそりゃ。可愛くねーな」
「いや、すげー可愛いんだよ」
「どこが」
「こういう話をすると、酔ったふりして顔真っ赤にしちゃうところが」
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