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隠し味
「なにこれ、うまっ」
「だろだろ? 絶対お前好きだと思ったんだ」
「やっぱ、食いもんの趣味合うよな」
「そこは俺の提案力を褒めるとこでしょ」
「確かにな。お前に勧められるもん、間違いなく美味いもんな。俺、どんだけ好み把握されてんだ、って話」
「いやいやいや。把握とか。してねえし」
「でもさ、結局誰と飲むかじゃね?」
「まあそれはあるよな」
「どんなにいい酒でも、接待じゃ飲んだ気がしねえ」
「ははは。そういや、先週得意先を案内したって言ってたな」
「そ。お造りを前に、お前と飲んでるんだったらいいのになーって何度思ったか」
「……そういうことを、笑顔全開で言うな」
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