崩壊した政府

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※※※※※※※※※※ 最初に科学で『力』を発現させた『Φ』という研究機関は、劣悪な秩序の中でもある程度の力を保持していた。 政府諸機関が、のきなみ手打ちになるなか、ついにこのセカイを平和になるなか、統治する存在を、作ろうとした。 それが、かの人造品『デウス・エクス・マキナ』。 物語の終盤、都合のよい調和をもたらす劇の神様からつけられた名前。 略称、『デウス』。 『Φ』は『デウス』の開発によって、『力』にあぶれたこのセカイを救済しようとしていた。 『デウス』の力は、その圧倒的な『封殺力』。 本来、施策を進める中で政府も無能だったわけではない。 秩序維持のため、適宜見極めながらすべての『力』を『キャンセル』する力、上位の『力』を用意していた。 ただ、見込みが甘かった。 「消えろ」!! 『エスパー』の内でも高位レベルに達した男が叫ぶ。 『バニッシュ』に対抗してかけられた女の方は『ディフェンス』ー防御系の魔法属性わを繰り出していた。 一対一の攻防。 喧嘩。 だが、政府の『秩序力』がきちんと働いていれば、まず紺ならことは起こり得ない。 あり得るはずだった秩序と。 それを越えた科学の力、人間の『力』。 このセカイは崩壊していた。 「ほら、急ごう」 下級レベルの力しか使えない二人では、あんなありふれた喧嘩も仲裁することは出来ない。 もとより、する気もない。 『デウス』ーその存在は、全てを平定するはずだったのに。 消えてしまった。 『Φ』の元から。
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