お仕事です

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お仕事です

預かってる鍵を使って入り、玄関を見渡す。 靴は靴箱にしまわれているのか、タタキには一足も出てない。 静かな室内へと進み、まずはキッチンで調味料や鍋類の確認をする。 砂糖、塩、酢、醤油、味噌。 一味、七味、コショー、ワサビ、からし。 うん、賞味期限も大丈夫そうだ。 出し昆布、削り節、白ゴマ、サラダ油、ゴマ油、めんつゆもあった。 包丁、まな板、フライパン、鍋。 食品用ラップ、アルミホイル、オーブンシート、キッチンペーパー、菜箸、お玉、フライ返し。 基本的なものは揃っていそうだった。 冷蔵庫の中の食材を確認し、取り合えず買い物に行く事にした。 立ち入り禁止の部屋の前を通りかかれば、中から小さく音楽が鳴ってるのが聞こえてくる。 確か、仕事場だったはず。 挨拶しようか迷ったが、仕事の邪魔をしてはいけないと思い直し、無言でその場を後にした。 買い物を済ませ、煮物をしながら洗濯機を回し、取り合えずざっと掃除を終わらせる。 細かい掃除は明日以降のローテーションにしようと思い、食事の支度を終え、依頼人への連絡のノートを書く。 冷めた総菜類を器に詰め、冷蔵庫に納めて、本日やり残した事がないか辺りを見回し、時間も過ぎたので鍵をかけ、帰社する。 代替え初出勤、中々の出来だと自己満足しながら、社長である母親に報告を終えて遅い昼食をとりに自宅へ戻って、やっと一息ついた。
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