35人が本棚に入れています
本棚に追加
親戚の娘だそうです
そんなある日、買い出しから戻った俺はばったりと小柄な女性と出会った。
お手洗いから出てきたようで、気まずそうな顔をしていた。
「初めまして、家事代行会社からきました阿相真伍と申します。
金山先生の親戚の方でいらっしゃいますか?」
慌ててポケットに常備していた名刺を取り出し渡す。
「はい。
お世話になってます。
親戚の永谷早苗です。
あー、金山三鷹は人見知りなので、顔を出しませんので。」
「はい、お仕事の邪魔はしないよう承っております。」
「、、、、、、。」
何か言いたげだ。
ああ、俺の仕事振りに関する愚痴や文句を先生から聞いていて、言おうかどうか迷ってるのかも知れない。
「どうぞ、おっしゃって下さい。
先生はどこに駄目出ししてましたか?
洗濯の仕方に不備がございますか?
食事のメニューでしょうか?」
「洗濯?メニュー?
いいえ、満足してますよ。
えーと、その言葉使い、堅苦しいの止めて欲しいんですけど。
私の方が年下だし。」
「言葉使い?」
そう言えば、金山先生も敬語は止めろと書いてあった。
少しくだけても良いだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!