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こうなったら! 背後から先生方に近づいて何をしているか見てやる!
謎の怒りがみなぎった私はふよふよと浮かびながら、一番近くにいた先生の背後に回って、何をしているのかを見る。
『………………』
お~っと、先生ぇ? 今は授業中なんですよぉ?
それなのにぃ、こぉんなところで『ゲーム』なんかしていて良いんですかぁ?
意外なことを知った私はにやけが止まらずに、口に手を当てて悪役のような表情になる。
――ま、私が知ったところで、どうやって他人に伝えたら良いのかって話ですよ!
こんなことをしても意味ないんですよ!
……いえ、私の知的好奇心が満たされるだけなんですけどね。
でもどうせなら生きていた時に知っておきたかったなぁ。そうすれば「他の先生に言いますよ?」的なことを言って、私のテストの点数を上げてもらうとか。そういう交渉も出来たんだろうけど……
ま、何でもいいや。
見た感じ、真面目に次の授業の範囲を確認している先生もいれば。
睡眠不足で昼寝している先生もいるし。
誰もこの先生がゲームしているなんて思わないだろうし、誰も注意しないんだろうなぁ。
……てか、この先生の顔、初めて見るなぁ。どこの学年のどの教科の先生なんだろ?
まあ、そんなことはどうでもいいし。私は私のやりたいように、勝手に何処かに行きますから~。
『失礼しました~』
挨拶をして、私は職員室から出て行く。もちろん、入室した時と同様に、扉をすり抜けて。
この身体、便利だなぁ~。
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